エベレスト・富士山同時清掃

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に参加?いや1つもゴミ拾ってないや。
今回は、エベレスト(現地名チョモランマ)とのテレビ電話の中継をメインに参加しました。
ゴミを拾うため、富士山をキレイにするために、全国各地から、自費を投じて160名もの参加者が集まりました。
前述のとおり、残念ながら、僕はゴミのひとつも拾ってないのだけれど、参加者の想いには毎度、頭が下がります。
そんな僕のタスクは、エベレストと富士山をISDN回線を利用したテレビ電話でつなぐこと。
以前エベレスト側にいたこともあるけれど、これは国内ならともかく、エベレストとなると結構大変です。あまり語られない裏事情を中心に書いてみようと思う。

エベレスト中継の苦労


エベレスト中継で使う機材など

 まず、回線ですが、電話線なんぞありませんので、静止通信衛星を使って通信します。
電話機は、インマルサットM4。ISDNで56/64kbpsのデータ通信ができます。このインマルサットM4にさらにISDN用のテレビ電話機を繋いで中継をします。
インマル M4
苦労点はいろいろあるのですが、まずインド洋上の衛星を捉えるためのアンテナ! これが結構シビアな仰角や向きのセッティング要求します。強風が吹いて、向きが少しでも変わってしまうと、テレビ電話に必要な通信速度が確保できずに映像が乱れたり、最悪テレビ電話が切れてしまいます。
そしてなんといっても大変なのが、電源の確保です。エベレストは、電気も通っていないので、太陽光発電などで自力で電力を確保しなければなりません。以前エベレストに赴く際に開発者に聞いたところ、一般に太陽光発電は低温のほうが発電効率がよいとのことでカタログどおりの出力を期待していたのですが、それよりもむしろバッテリーの低温の電圧降下のほうが影響が大きいのでしょうか?理論値のおよそ30%ぐらいの発電しかできませんでした。また、太陽電池のパネルに雪や氷が着いてしまっも効率が落ちるので、定期的に雪や霜を落とさなければなりません。そんな想いで大事に貯めた電気ですが、およそ30分の中継ですべて使い切ってしまいます。

夜明け前に行った「ズームインスーパー」との中継

 中継の頃はまだエベレストでは夜明け前 M4
エベレストの中継で一番大変だったと思い出すのは、「ズームインスーパー」という日本で早朝5:20〜放送されているテレビとの生中継。現地との時間差が約3時間あるので、エベレストはまだ夜明け前! こんな時間、中継しても真っ暗です。しかも、マイナス14〜5度ぐらい。さらに放送開始前にテストをしたいとのこと。
「あのーまだ太陽でてないんですけど〜」
「あー そうか! そうだよね。なんとかなるよね?」
そう言われたらやるしかないですね。
「なんとかします!」
テレビ中継の時間は日本の都合で決められているのですが、エベレストサイドでは愚痴も言いたくなります。しかし、野口さんの「たくさんの人に伝えなければ意味がない」という思いに賛同してるので、頭をひねって考えます。しかも、集められたゴミだとかもせっかくだから紹介したい。
隊員やシェルパらのヘッドランプをかき集めたり、ランタンを灯してゴミや野口さんの顔を照らす人を配置したりして、人工の明かりを確保します。お湯を沸かしてバッテリーを暖めておきます。
エベレストでは強風のためスピーカーだと会話が聞き取りにくいので、イヤホンを使います。したがってカメラマンには、日本側とのやり取りがわからないので、カメラを向けるタイミングがつかみにくいのです。ここらへんは野口さんとの連携が大事になります。
「はい。それで〜、エベレストのゴミなんですけどね・・・」
と、野口さんがしゃべりながらカメラに写らない左手とかでこっそりとゴミのほうを指差して合図を送ります。リハーサルもするし、一応台本もあるのですが、これまでの経験上、本番はなかなか予行練習通りにはならないものです。

 本番直前で電源が調子が悪くなり、その調整のため、手袋を脱ぎ、そのまま本番。しまったーと思いつつもカメラを放すこともできません。およそ30分の中継でしたが、手が震えないようにするのと、途中で電源が切れないか心配で「早く終われー」と思ったものです。
エベレストの中継は結構トラブルが多くて面白かったです。一度は中継機器がまだ届いていない! なんてこともありました。(このときは三浦隊に電話をお借りし、急遽インターネットで動画を送って対応しました)
2003年エベレストベースキャンプで写真撮影

今回のエベレストとの中継は?

 今回のエベレスト・富士山同時清掃の中継も無事修了。今回は、日本側スタッフなので、足りないモノがあれば買うことができるし、電源計画なぞ立てなくても、コンセントに繋げば常に安定した電源を確保できます。日常では当たり前すぎて忘れがちですが「コンセントに繋げば電気が使える。」これはとっても恵まれていることです。
しかし、そんな環境にいるからこそ、エベレストの厳しい環境を知っていながらもついつい注文をつけたくなってしまうものです。
「ずーと野口さんの顔ばっかりだと、電話中継と変わらないから、チョモランマ見せて!」
とか、
「拾ったゴミも見せてください」
「スタッフも写してね」
どうしても、温度差というものが生じてしまうのかもしれません。富士山とエベレスト、同じ山でのゴミ拾いですが、環境の差が厳しすぎます。こういったものが「現場との温度差」なのでしょうが、命がけでゴミ拾いしている方とは温度差があっても仕方ないと思います。

そんなエベレストスタッフの尽力でゴミ拾い後の楽しい?雰囲気の中継になったと思いますが、エベレストでは裏方は裏方(表方も表方で)いろいろと大変だったと思います。
2007年富士山・エベレスト同士清掃登山 野元学氏撮影
今度の中継は4月22日のアースデイに行われるコスモ アースコンシャスアクト コンサート。会場の武道館でエベレスト中継を楽しみにしています。

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このページは、新宿の働かない社長が2007年4月15日 23:00に書いたブログ記事です。

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